介護関連の資格の一覧について
人口における高齢者の割合が25%となり、超高齢化時代を迎えた現代日本。こうした高齢者の増加と、そのQOL(Quality of Life=生活の質)向上に向けて、介護に従事するスタッフの需要が高まっています。 介護業界は慢性的な人材不足から求人が途絶えることがなく、不況に負けない安定的な就職が可能として介護関連の資格が人気を集めています。今回は、介護業界で役立つ資格を一覧でご紹介します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護業界の入門的資格として人気を集めてきたホームヘルパー2級(訪問介護員2級)に代わるものとして、2013年4月にスタートした資格です。 ホームヘルパー2級は講座を受講すれば取得できる資格でしたが、介護職員初任者研修は、研修の最後に行われる筆記試験に合格しなければ資格を取得できません。とはいえ、試験は研修内容の確認を行う程度の易しいものであり、合格率は90%を下回ることはないとされています。
介護職員初任者研修は、厚生労働省の指針に基づき作成された各都道府県の実施要項に従って、各都道府県が指定した養成機関(介護福祉関連の大学や短大、専門学校など)で実施されます。 また、通信形式での講座を開講しているところも多くあります。
介護福祉士実務者研修
2013年の法改正により、介護職員初任者研修の上位資格として設定された介護福祉士実務者研修。従来のホームヘルパー1級および介護職員基礎研修に代わるものとして実施されています。
介護福祉士実務者研修では、基本的な介護知識に加えて「痰の吸引」や「経管栄養」などの医療的ケアの知識も問われます。
介護福祉士
介護福祉士は、介護関連では唯一の国家資格であり、専門的知識及び技術をもって、日常生活を営むのに支障がある人の心身の状況に応じた介護を行ったり、介護に関する指導を行うことができる資格です。
知識と技術を身につけた「介護のプロ」として求められる人材であり、介護施設などの求人が多いようです。
介護福祉士を受験するためには、児童、高齢者、障害者などの介護に関する施設の3年以上の実務経験が必要です。
また、2016年度より実務経験に加えて介護福祉士実務者研修の修了も条件として加えられることになります。
介護技術者のレベルアップを目指す目的から、厚生労働省は介護福祉士認定試験の受験資格を厳しくする傾向にあります。
介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護保険制度実施にあわせて、行政の介護福祉サービスと施設の各種サービスを連結した、包括的な介護アドバイスができる立場として誕生した公的資格です。
介護支援専門員実務研修の修了後、実務研修を受けてからレポートを作成し、都道府県に提出して任用されれば、資格を取得できます。
居宅介護支援事業者や介護保険施設、老人ホームなどにケアマネージャーとして勤務し、ケアプランの作成や総合的な介護アドバイスなどを行うことができます。
介護事務(ケアクラーク)
要介護者が、介護保険などを利用して福祉サービスを受けた場合の費用を算出する、介護報酬請求業務につくための知識を問う民間資格です。
介護事務の資格には、異なる団体が実施する複数の試験がありますが、いずれも主に介護保険や介護点数の計算などが問われます。中には、オープンブック(参考書やノートの持ち込み可)の受験もあり、比較的取得しやすい介護関連の資格となっています。
福祉用具専門相談員
介護保険の対象となる福祉用具の知識を持ち、用具と要介護者のニーズを結びつける役割を担うのが福祉用具専門相談員です。
歩行器や車いすなどの福祉用具を貸与する事業所には、福祉用具専門相談員を2名以上配置することが必要とされているため、就職に有利な資格だと言われています。
以上、介護に関する主な資格について一覧でご紹介しました。介護業界で働く上で、資格は非常に重要となりますので、希望する職種に適した資格の取得を検討すると良いでしょう。