介護職員初任者研修の実習内容や時間について紹介
介護職員初任者研修の修了証を取得すると、在宅介護(ホームヘルパー)だけではなく、施設の介護スタッフや病院の看護助手の仕事に就くことができます。
厚生労働省が定める130時間のカリキュラムのうち、実践的な介護技術を体験する実習(スクーリング)が、約90時間を占めています。これにより、現場のプロが行う移乗介助や排泄、着替えなどの身体介護や、料理や、外出、関係機関との連絡といった生活支援のノウハウを習得することが可能です。
この他にも、介護の現場における基本的なマナーや接遇、要介護者との信頼性の構築方法のしかた、介護計画の作成、レクリエーションの実施なども実習目標に含まれますので、修了後は自信をもって現場の仕事に就くことができいます。
介護職員初任者研修の総実習時間は?
厚生労働省の指針では、全130時間のカリキュラムに対し、実習時間は最低90時間行うことが定められていますが、スクールによっては若干多く配分されている時間が異なる場合もあります。ただし、通学コースと通信コースで実習時間数に違いはありません。通学コースでは、指定テキストに従った自宅学習の時間数は最大40.5時間までとなっており、残りの時間はスクールに通って実習指導を受ける必要があります。
介護職員初任者研修の実習は、主にスクール内に整備された介護実習室で行われます。ベッドや浴槽、ポータブルトイレなどが設置されており、受講者と講師、または受講者同士で模擬訓練を繰り返していきます。スクールによっては、実習で習得した内容の理解を深めることを目的に、指定された介護施設の見学を課す行う場合もあります。
介護職員初任者研修の前身となったホームヘルパー2級2級講座(平成25年廃止)のカリキュラムと比較すると、より掘り下げた内容となっているため、密度の濃い内容を学ぶことができます。カリキュラムを受けることで、約3倍もの時間が実習に割り当てられるようになっています。実習時間数が増えた分、より実践的な知識と技術が習得できるようになり、介護福祉士やサービス提供責任者などへのキャリアアップの道も広がってきます。
実習は現場のプロがマンツーマンで丁寧に指導
移乗介助や排泄、更衣動作などの身体介護実習では、介護者と要介護者が共に身体を傷つけない安全な方法を習得することが大切です。また、体格が小さな女性でも、大柄な要介護者を移乗させるにはどうしたら良いのよいか、そのテクニックや注意点を学びます。また、要介護者が持っている力を無理なく発揮し、介護者と息の合った動作ができるよう「声掛け」や「触れ方」などについても実習を進めていく上で重要なポイントになります。
生活援助の実習では、食事の支度や買物などの手順や留意点はもちろんのこと、要介護者のニーズを的確に把握するコツや信頼関係の形成も併せて実習していきます。遠慮しがちな要介護者が介護者に対し要望を伝えやすい雰囲気を作るにはどうしたらよい良いかなど、現場で遭遇しやすい場面についても具体的な方法を学ぶことができます。
介護職員初任者研修の実習では、長年介護の現場で活躍してきたプロがマンツーマンで丁寧に指導をしてくれますので、はじめて初めて介護技術を学ぼうとするぶ人でも安心して実習に望むことができます。実習を通して同じ教室で学ぶ仲間との交流が深まりますので、課題を互いに練習し合ったり、今後の就職に向けての悩みを相談し合うなど有意義な時間を過ごすことができるでしょう。