親の介護の悩みを解決しましょう!
自宅で親の介護にあたる家族の多くが、何らかの悩みを抱えており、親に対する強い怒りや憎しみ、苛立ちなど精神的なストレスを感じている人が少なくありません。
病気の治療や療養を目的とした看病とは異なり、先々の見通しや目標を見出しにくい介護は、要介護者だけでなく、介護者の心のケアも欠かせません。
ここでは、親の介護に関する悩みの解決策についてご紹介しましょう。
「終わりが見えない」という介護の悩み
介護は、育児や看病のように、近い将来について予測することができません。介護を始めたばかりの頃は、夢中が故に負担を感じにくいかもしれませんが、時間が経過するほど不安が増してきます。
特に自分以外の家族に頼ることができず、常に1人で介護をしているケースでは、悩みを打ち明けるタイミングを失い、燃えつき症候群や介護うつなどに陥ってしまうケースがあります。
介護の共倒れ状態になる前に、信頼のできる専門家や理解ある人に悩みを打ち明け、気持ちを整理することが大切です。介護保険制度を利用しているのであれば、担当のケアマネージャーに相談すると具体的な解決策を得やすいでしょう。介護者の状況や精神面を配慮した上で、ケアプランの見直しを行ってくれることもあります。
「介護されるのを嫌がられる、感謝の言葉を貰えない」という悩み
毎日一生懸命介護をしているのに、「ありがとう」と言ってもらえなかったり、こんなことは自分でできる!と言わんばかりに介護を拒否されたりした際には、つい感情的になってしまうことがあるかもしれません。
親の介護では、自分の子供に対する過剰な期待や甘えが、悪影響を及ぼしやすいと言われています。お互いが常に笑顔でいられれば介護の負担も和らぎますが、険悪な雰囲気ではストレスが増す一方です。
どのような態度で接すれば良いか、どんな言葉がコミュニケーションをスムーズにするのか。そのヒントは、同じような悩みを持つ人が集まる「介護者の集い」や、「ピア・カウンセリング」などで見つけられるかもしれません。自治体などが中心となって、定期的に開催されていますので、お住まいの地域で行われていないかをチェックしてみると良いでしょう。
他の人の成功例や失敗例、対処法を知ることは、解決の糸口を得られるだけでなく、ストレス緩和にも役立つでしょう。
「お金」に関する介護の悩み
終わりの見えない介護では、経済的な負担もストレスの要因となります。「公益財団法人家計経済研究所」の調査によると、在宅介護の場合、1カ月にかかる平均費用は約7万円。
ショートステイを利用したり、車いす用のスロープを設置するなどの住宅改修を行うと、さらに費用がかさみます。また、急に病状が悪化して入院や手術の費用が必要になることもあります。
介護費用が捻出できないことを理由に、必要なサービスを中止せざるを得ないという家庭もしばしば見られます。この場合は、高額介護サービス費制度や減免制度を利用できるかもしれませんので、早めにケアマネージャーや自治体の窓口に相談をしましょう。
また最近では、持ち家を担保にして銀行や自治体から融資を受ける「リバースモーゲージ」に注目が集まっています。借りたお金は、死亡時に自宅を売却することで返済します。受けた融資は、デイサービスを利用した際の介護費用や、介護施設への入居費用として使うことができます。
親の介護は、さまざまな苦難を乗り越えていかなければなりません。介護者の健康と心身の安定を保つためにも、介護保険制度を十分に活用し、気軽に相談や協力を求めることができる人を確保しておく必要があります。
また、もしまだ要介護認定を受けていないという方がいましたら、市町村の窓口に早急に申請することをおすすめします。認定された要介護度に合わせて、さまざまなサービス(ケアプラン)を受けることができます。