介護経験者は必ず受けておきたい介護福祉士実務者研修とは
介護福祉士実務者研修は、2013年から開始された新しい資格制度の一つです。養成施設以外のルートで、介護福祉士の国家試験を受験する場合に義務づけられます。介護職員初任者研修と同様に、無資格でも受講することは可能です。介護福祉士実務者研修を修了し、実務経験が3年以上経過していれば、介護福祉士国家試験における実技試験が免除されます。
介護福祉士実務者研修の目的と修了後のキャリアパス
介護福祉士実務者研修は、施設・在宅を問わず幅広い知識をもって要介護者に介護サービスを提供することができる人材の育成を目的に新設されました。介護職員初任者研修よりも、さらに専門的な学習がカリキュラムに組まれています。喀痰吸引や経管栄養の管理、心配蘇生法などの医療的ケア、認知症患者への具体的な対応など、より高度な医療的ケアについても触れていきます。
介護福祉士実務者研修の修了者は、実務経験年数3年(従業期間1095日または従業日数540日)以上の経過をもって介護福祉士の国家試験を受験することができます。実技試験が免除され、筆記試験のみで合否が判定されます。
サービス提供者の需要と職務内容
介護保険制度改正により、訪問介護事業所に配置されるサービス提供責任者は、介護福祉士もしくは介護福祉士実務者研修修了者であることが要件として加えられました。要件を満たしていない事業所では、介護報酬が1割カットされてしまうため高い需要があります。
サービス提供責任者の主な役割は、訪問介護サービスの利用者と交わす契約内容を管理し、必要に応じて担当者や関係機関と連携を図り、介護サービスが円滑に行われるよう調整を行っていくことです。利用者やその家族に直接出向いて、生活の様子を伺ったり相談に応じることもあります。事業所を統括する立場として重要な職務を任されますので、資格手当や昇給などの待遇面でも優遇されます。利用者の暮らしを支える要として大変やりがいのある仕事と言うことができるでしょう。
介護福祉士の概要と介護福祉士になることのメリットについて
介護福祉士の国家資格は、介護についての専門的な知識や技術を有する証です。就職活動では幅広い選択肢をもつことができる上に、採用側からも高い信頼を受けることができます。超高齢社会を迎えるのにあたり、介護福祉士の需要はさらに増加していくでしょう。
介護福祉士として実務経験が5年(総従事日数900日)以上経過すると、ケアマネージャーへのステップアップが可能となります。ケアマネージャーには夜勤や宿直がない職場が多く、平日中心の仕事になることから、仕事と家事・育児を両立していく上でもメリットが多い職業です。
介護福祉士実務者研修では、新たなスキルを習得できるだけではなく、介護福祉士の国家資格受験へのキャリアパスを描くことができます。修了者は、訪問介護サービス全体のコーディネート役として活躍することも。将来、管理職や企業を目指すはぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。