介護福祉士国家試験に必要な受験資格とは?
介護福祉士の国家試験は、誰でも受験が可能というわけではなく、ある一定の条件を満たさなければなりません。現在では、いくつかのルートで受験資格を満たすことができますが、実務経験ルートや養成施設ルートは今後法改正が予定されているので注意が必要です。ここでは、介護福祉士国家試験に必要な受験資格についてご紹介いたします。
実務経験ルートで受験資格を得る場合
実務経験ルートで受験資格を得る場合は、3年以上の従業期間でかつ540日以上の従事日数(実際に介護の業務を行った日数)を経験した方に受験資格が与えられます。介護施設などで3年以上働いていたとしても、事務といったデスクワークがメインで、実際に介護した日数が少なければ、試験を受けることができません。実務経験とされる職種は、「児童福祉関係の施設」、「高齢者介護施設」、「障害者支援施設」などが挙げられます。 それに加え、「介護技術講習」や「実務者研修」を受講すると、学科試験だけ受ければ、実技試験は免除されます。
現在介護業務に携わって3年以上(従業期間が540日以上)経過している方は、受験資格を満たしているため、すぐに受験することができるルートです。 ただし、平成28年度からは、3年以上の実務経験を持っていても実務者研修の受講が必須となるので、必ず修了した上で試験に臨みましょう。
福祉系高校ルートで受験資格を得る場合
福祉系高校のルートで受験資格を得る場合は、3つのルートに分けられます。まず、平成20年度以前の入学者が対象の旧カリキュラムに沿って学習された方は、学校を修了することで受験資格を得られます。そのまま受験するのも可能ですし、「介護技術講習」を受講すれば実技試験が免除されます。
次に、福祉や介護などの専攻がある特例高校では、卒業後9カ月以上介護等の業務に従事すれば受験資格を得られます。福祉系高校のルートと同じく、「介護技術講習」を受講すると実技試験が免除されます。
最後に、学校教育法で定められた高校で、新カリキュラムに沿って学習し、修了された方は始めから実技試験が免除されています。 このように福祉系の高校では、学習したカリキュラムによって変わってきますので、ご自分に受験資格があるのかどうかを確認してみてください。
養成施設ルートで資格を得る場合
養成施設ルートでは一定の学習を修了すれば、試験を受けることなく介護福祉士の資格を得ることができます。ルートはいくつかありますが、まず介護福祉士の養成施設で2年以上学習すれば、介護福祉士になることができます。 次に、福祉系の大学や社会福祉士や保育士の養成施設を卒業後、介護福祉士の養成施設で1年以上学習すると、同様にして試験を受けずにそのまま介護福祉士の資格が得られます。
養成学校は費用が高く、施設にもよりますが1年あたりの学費は、初年度では数100万円程度かかることもあります。ただし、国が運営する無利子の奨学金制度もあるので、賢く利用してみるのも良いでしょう。 養成施設ルートの最大のメリットは、「受験せずに資格がもらえる」ことでしたが、2022年度から国家試験の受験が義務化される方針が固まっており、今後の動きには注意してください。
社会人となってから、介護福祉士の道を目指そうとしている方は、3つ目の養成施設ルートで資格を得る方法が、最短で取得できるやり方なのではないでしょうか。また、養成施設や福祉系の高校を卒業していない方でも、介護施設等で実務経験を積めば受験資格を得ることもできます。上記の内容を参考にして、介護福祉士国家試験の準備をしっかり整えてください。