介護福祉士国家試験前の過去の試験問題の内容とは?
厚生労働省の調査によると、平成25年度の65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合は、25.1%と過去最高になり、高齢者福祉の需要はますます高まることが予想されています。そのため、介護に関する国家資格である介護福祉士が注目されています。ここでは、介護福祉士の筆記試験についてご紹介します。
介護福祉士国家試験における、筆記試験の概要
筆記試験は、大きく「人間と社会」、「介護」、「こころとからだのしくみ」の3つで構成され、この3領域についてさらに細かく科目が分かれており、事例形式の問題が出題されます。 1問1点配点の120満点、正答率60%以上が合格の基準です。ただし、試験科目が10科目群に分類されており、1つでも0点の科目群があった場合は不合格となります。 (*2015年4月現在の情報です)
各科目の出題傾向
ここでは、各科目の詳細についてご紹介します。出題傾向をしっかりとつかんでおきましょう。なお、以下に挙げる「人間の尊厳と自立」と「介護の基本」は合わせて一つの科目群、「人間関係とコミュニケーション」と「コミュニケーション技術」は合わせて一つの科目となりますので注意してください。
人間の尊厳と自立
基本的人権など人間に対する法的な問題から、高齢者や障害者などに特化した尊厳が出題されます。
人間関係とコミュニケーション
他人の気持ちを理解する方法や、言語的または非言語的なコミュニケーションの基本について出題されます。
社会の理解
社会保障、介護保険法、障害者総合支援法に関する問題が出題されるため、比較的難易度の高い科目です。
介護の基本
介護福祉士の役割から要介護者の支援方法、尊厳の厳守など、介護に関する問題が幅広く出題されます。介護の仕事をしている人なら、耳にしたことのある言葉が多いので、理解しやすいかもしれません。
コミュニケーション技術
応用問題が多く出題される傾向にあります。高齢者や障害者またはその家族とのコミュニケーション、介護職員間で連携を取るためのコミュニケーションなど、場面に応じたコミュニケーション方法が問われます。
生活支援技術
居宅または施設などの生活空間をどのように快適にするべきか、食事や排せつ、入浴などの自立支援のためには、どのような考えを持って介護にあたるべきかなどが出題されます。
介護過程
介護過程の重要性や、支援契約などについて出題されます。チームで行う介護についてもしっかりと勉強しておきましょう。
発達と老化の理解
高齢者の心身の状況に特化した科目です。体の衰えが高齢者の心にどのように影響し、その結果、どのような行動や症状に現れるかが出題されます。
認知症の理解
認知症の原因となる主な病気の症状の特徴や、対応方法について出題されます。
障害の理解
視覚障害、聴覚障害など、障害に特化した科目です。障害者の状態と心理、援助の方法など、障害者に関する概念や制度などが出題されます。
こころとからだのしくみ
発達と老化の理解や、認知症の理解など関する医療的知識が問われる科目です。認知・行動領域は重複する点が多いため、合わせて勉強したほうが効率的だと言えるでしょう。
総合問題
事例が提示され、その事例を元にいくつかの問題が出題されます。介護サービスに関する知識、正しい対応方法などが問われます。
筆記試験は過去問題が公開されていますので、受験に際しては必ず確認しておきましょう。 資格を取得することで一定の知識とスキルを保持している証となりますので、介護職で活躍したいと考えている方は、挑戦してみることをおすすめします。