福祉用具専門相談員になるための講習内容とは?
福祉用具専門相談員の資格は、各都道府県知事が指定した研修事業者が実施する指定講習を受け、修了試験に合格することにより取得することができます。平成27年4月からカリキュラムが改定され、福祉用具貸与計画の作成やケアマネージャーなどの関連職種との連携など、より実践的な内容が新たに追加されています。
全50時間の講習内容は以下の通りです。
「福祉用具と福祉用具専門相談員の役割(2時間)」
ここでは、福祉用具の定義と福祉用具専門相談員の役割、福祉用具の種類を概説できることを到達目標としています。福祉用具専門相談員は、利用者の身体状況や生活環境を的確に把握し、自立生活および介護者の負担軽減を促進する福祉用具を選別することが求められます。また、介護保険制度における福祉用具専門相談員の位置付けと役割についても学びます。
「介護保険制度等に関する基礎知識(4時間)」
介護保険制度の基本的な仕組みについて学びます。地域包括ケアに携わる各専門職(ケアマネージャー・医師・看護師・社会福祉士等)の役割を踏まえ、ケアマネジメントの視点に立ったサービスの提供および他職種連携の重要性について理解を深めます。
「高齢者の介護・医療に関する基礎知識(16時間)」
加齢による心身機能の変化や、高齢者に多い疾患について理解し、日常生活上の注意点や福祉用具利用のポイントについて学びます。特に、認知症高齢者では安全性に配慮した福祉用具の選定が求められますので、利用者の心理・行動特徴を踏まえた上での対応を列挙できなくてはなりません。 また、食事や入浴等の介護技術や住宅改修、心身機能の維持・改善を目的としたリハビリテーションの実際についても学んでいきます。福祉用具専門相談員は、利用者の生活全般を捉える視点が重要です。
「個別の福祉用具に関する知識・技術(16時間)」
福祉用具の種類・機能・構造について学びます。福祉用具は、基本的な日常生活(起床・移乗・移動・トイレ・入浴など)を助けるもの以外にも、社会参加(外出・就労など)を支援する福祉用具やコミュニケーション支援機器など様々な種類があります。福祉用具専門相人員は、数ある福祉用具のなかから利用者の身体の状態や使用場面に応じたものを選定する技術が求められます。
「福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識(7時間)」
介護保険制度下における福祉用具供給の流れについて学びます。福祉用具利用計画書や意見書の作成、モニタリング、他職種連携等について、その意義と方法を理解していきます。
「福祉用具の利用の支援に関する総合演習(5時間)」
脳卒中や認知症など、高齢者に多く見られる具体的な事例を用いて、福祉用具貸与計画書の作成実習を行います。利用者や家族に対する説明、サービス担当者会議での質疑応答場面を想定したロールプレイングを通し、現場での実践力を養います。
ハクビの福祉用具専門相談員講習では、大型リフトや電動ベッド、車いすなど多数の福祉用具に触れながら知識を身につけることができます。経験豊富な講師陣による現場重視の丁寧な指導も好評です。