介護福祉士国家試験の合格基準ってどのくらい?
国家資格とは、知識や技術が一定以上になったことを国から認められた資格のことを表し、ばらつきはあるものの試験の難易度が高いことでも知られています。介護福祉士も国家資格の1つで、受験すれば誰もが合格するような容易な試験ではありません。ここでは、介護福祉士国家試験の合格基準や受験対策などをご紹介いたします。
介護福祉士国家試験の受験者数や合格率はどのくらい?
気になる介護福祉士国家試験の受験者数や合格率は、どのくらいなのでしょうか。平成22年~平成26年の5年間の平均のデータは、以下のとおりになっています。(小数点以下切り上げ)
受験者数:147,352人
合格者数:854,72
合格率:58.0%
ここ2~3年の間では合格率はやや高く、およそ60%強ほどを推移しています。低い数字ではありませんが、2人に1人は不合格になる数値です。受験者数はほぼ横並びで、毎年13万~15万人程度の受験者がいます。
次に、合格者数の男女の割合は、以下の通りになっています。(データは、平成26年度のものです)
男性:25.9%
女性:74.1%
圧倒的に女性の方が多い、という結果です。
最後に、どのような受験資格を持った方が合格されたかを、多い割合順に並べてみました。
老人福祉施設の介護職員等52.5%
訪問介護員:20.2%
医療機関の看護補助者:8.3%
介護老人保健施設の介護職員:8.0%
障害者福祉施設の介護職員等:6.5%
データを見てみると、老人福祉施設の現職介護職員がおよそ半数を占め、高齢者に携わる仕事を含めると、6割を超える結果が出ています。そのほかには、デイサービスなどの訪問介護員や医療機関、障害者福祉施設の介護職員などが続いています。いずれも介護や医療機関の職員が多く、介護職にとって介護福祉士の資格取得は1つの目標と言えるでしょう。
合格ラインと受験対策
介護福祉士国家試験の合格ラインは以下のとおりです。 例年では60%以上を目安に合格となるようですが、そのときの問題や課題の難易度によって補正がかかる場合もあるようです。
筆記試験:1問1点で120点満点中、60%程度を基準とする(なお、試験科目10科目において、全ての科目で得点があること)
実技試験:課題の総得点の60%程度を基準とする
この合格ラインを見ると、「60点以上なら容易に合格できるのでは」と思われがちですが、細かなミスを重ねると、点数に響いてしまうので油断は禁物です。過去問では平均で75~80点程度をコンスタントに獲得できていないと、普段とは違う環境である本番では、100%の力を出し切ったとしても合格が難しくなるかもしれません。
また、筆記試験では10科目全てにおいて得点が必要になります。極端な例では9科目が満点であっても、1科目が0点であれば不合格となります。苦手な科目はきちんと克服した上で、試験に臨むようにしてください。
さらに時間配分も重要なので、制限時間内に問題を解き終わり、再確認できるくらいの余裕を持てるようにするのも大切です。模擬試験では、時間を意識して解いてみましょう。
このように、介護福祉士国家試験は容易に合格できるほど簡単ではありませんが、対策をしっかり行って勉強することで、合格の道も見えてくるはずです。上記の内容も参考に、試験までの勉強のスケジュールを立てて、受験に臨んでくださいね。