しっかり描いて掴み取る!介護のキャリアパスプラン
介護職の人手不足が深刻な問題となっていますが、その原因として、ほかの業種と比べて給与水準が低い、キャリアアップが困難な点などがあげられます。 近年ではこうした状況を改善するために、介護職の待遇を改善するキャリアパスプランが提案されています。 ここでは、キャリアパスプランの概要とスキルアップの方法をご紹介します。
キャリアパスとは
職場で昇進するために必要な経験や、自分が目標とするポジションにたどり着くために何をすべきか、というビジョンを「キャリアパスプラン」と言います。
介護施設などでは、一つの事業所における職位は限られているため、全員が役職者になることは不可能です。そのため、明確なキャリアパスを描くことができない方が多いと言われています。頑張っても昇進や昇給は望めないだろうという諦めが、モチベーションの低下を招いたり、離職に至る原因になったりということが少なくありません。
介護職のキャリアパスプランの実態とは
平成24年には介護報酬改定に伴い、介護職員処遇改善加算が創設されました。介護サービスに従事する介護職員の賃金改善を目的とした加算であり、キャリアパスの一環と位置付けられています。ただし細かな条件をクリアした上で、担当行政機関に届け出る必要があります。 そのほかにも、役職への昇進や、上級資格取得による賃金アップなど、各施設でさまざまな取り組みが行われています。
キャリアアップのための資格について
介護職のキャリアップに有効な資格についてご紹介します。キャリアパスプランを立てる際の参考にしてください。
社会福祉士、精神保健福祉士
社会福祉士は高齢者施設、障害者施設、児童施設、医療機関などの相談援助業務を担当し、精神保健福祉士は精神領域の相談援助業務を担当します。 社会福祉士、精神保健福祉士になるための方法にはさまざまなものがあり、そのほとんどが実務経験を必要としますので、キャリアパスプランに盛り込む資格としてよく候補にあげられます。
介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護支援専門員は、実務的な介護は行わず、主に介護保険法に基づくサービス計画の作成や介護認定調査の実施などを担当します。勤務先は高齢者施設、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、市町村など多岐にわたります。 介護支援専門員の資格試験の受験資格は、介護福祉士や看護師などの有資格者は実務経験5年以上、無資格者は10年以上が必要となります。
認定介護福祉士
厚生労働省では、介護福祉士のキャリアパスとして、さらに上級資格の認定介護福祉士(仮称)の創設を予定しています。詳細についてはまだ公式に発表されていませんが、介護福祉士のリーダー的存在となることや、一定の受験資格を設けること、研修を受講して取得することなどが想定されています。
介護職に就いた多くの人が志半ばに辞めていくことは、とても残念なことです。夢や誇りを持って介護職で働き続けるためには、キャリアパスの充実が不可欠だと言えるでしょう。