介護福祉士国家試験の実技試験の対策方法
介護福祉士になるためには、国家試験に合格しなければなりません。試験には筆記試験と実技試験の2種類があり、特に実技試験はどのように行えば良いか分からず緊張している方も多いのではないでしょうか。ここでは、介護福祉士国家試験の実技試験の対策について紹介していきます。
介護福祉士国家試験の実技試験の出題基準
実技試験の出題基準は、主に4つの大きなカテゴリに分かれ、さらに中項目、小項目と分かれています。どの分野に力を入れるべきか、どういった点に注意すべきかを一つひとつ確認しましょう。現場では見落としがちな基本的なスキルを問われることもあるので、実技試験は初心に返って対策することが大切です。主な出題基準は、以下のとおりです。
介護の原則
安全で安楽に配慮しているか(ケガの予防、麻痺している部位の保護、食べ物が気管に入るのを予防する)、自立支援を促しているかどうか、コミュニケーションや言葉遣いなどといった個人の尊厳を守っているかが問われます。
健康状況の把握
介護者の健康状況(外見や意識、体温や脈拍、息使いなど)の把握ができているか。また、感染予防、ボディメカニクス(筋肉や骨格といった人間の身体の仕組みを活用して、要介護者を持ち上げたり座らせたりする技術)などといった、介護者自身の健康管理にも配慮ができているかどうかを問われます。
環境整備
室内環境の配慮(室温、湿度、空調、外から自然光を取り入れる、清潔さなど)ができているかどうか。また、ベッドメイキングや寝具の交換、ベッドの機能に配慮しているかを問われます。
身体介護
身体介護は実際に介護を行う場面において、しっかり介護ができているかどうかを問われます。体位や体位変換のスキル、車いすやストレッチャーに乗せる際の移乗動作、歩行や移動の介助などができているかどうかが査定ポイントになります。さらに食事や排せつ、入浴や衣服の着用、髪をとかすといった内容があります。
介護福祉士の実技試験の流れと合格基準
介護福祉士の実技試験は、筆記試験とは別の日に行われます。試験は一人ひとり別室で試験委員に見守られながら行います。まず待機室で課題を渡され、10分程度で内容を把握し介護方法や注意点をイメージします。課題は、介護が必要な利用者の概要(名前、年齢、健康状態、障害の程度など)が記載されており、さらに介助をする内容、部屋の見取り図も載っています。
次に、係員からの指示で入室し、「始めてください」の合図で介護を始めます。 実際の試験は、移乗であったり、歩行や着替えであったり、利用者のニーズを満たしてあげるための内容です。その中で安全の配慮、空間や環境の配慮、要介護者の健康状態の確認、そして最も重要な介助をする、という一連の動作を考査されます。試験の時間は5分程度で、合格基準は課題の総得点の60%程度以上で合格となりますが、課題の難易度によって補正がかかる場合もあります。
効果的な対策方法とは
自分の行動を細かく見られる実技試験であるため、予行演習を何度も行うのが必要不可欠です。実際に介護の仕事に就いており、日頃から介護をしている方なら慣れている内容なので、緊張感さえしなけばそれほど難しいものではありません。
しかし独学の場合は、自分のイメージと少しの実体験のみで臨まなければならないため、要領が分からず難易度が上がることがあります。そのため、できる限り介護スクールを利用し、実技試験の練習を繰り返しておくことをおすすめします。独学では自分の改善点が分かりませんが、スクールでは客観的に指摘をしてくれる人がいるため、間違いを修正しやすくなります。実際の試験と同じような環境を作り、模擬試験を積み重ねるのが効果的な方法と言えるでしょう。
今回は、介護福祉士の国家試験の中でも、実技試験の対策方法をご紹介しました。事前に試験の内容を知って、万全の準備をして試験に臨むようにしてください。