介護福祉士とは
介護福祉士は、社会福祉士、精神保健福祉士と並び「福祉の三大国家資格」と呼ばれています。社会福祉士と精神保健福祉士は、相談業務がメインとなりますが、介護福祉士は実際に介護を必要としている人の日常生活に直接関わっていく仕事になります。
いずれも弱い立場に置かれている人の気持ちや状況を理解しようとする力が必要になりますが、身体を動かすことや、介護の現場で医師や看護師などの専門職と関わりながら仕事をしたい人には、介護福祉士が向いていると言えます。
介護福祉士とは
ヘルパーの資格と混同されやすい介護福祉士ですが、ヘルパーの指定講習が約130時間であるのに対し、介護福祉士の養成ではその約10倍の時間を要するカリキュラムが組まれています。
また、履修内容も幅広く、基礎医学、社会福祉関連法規をはじめ、心理学、リハビリテーション学など、介護に関連する学問をより詳しく学んでいくことになります。そのため介護の現場では、ヘルパーの指導役を介護福祉士が担当することも少なくありません。
給料の面でもヘルパーよりも優遇される傾向にありますので、介護の仕事を長く続けていこうと考えているのであれば、介護福祉士の資格を取得することをおすすめします。
介護福祉士の業務内容と就職先
介護福祉士は、身体や精神に障害がある人に対し、能力や状況に応じた介護を行います。
施設または要介護者の自宅で、食事、排泄、更衣、整容、入浴などを行い、できるだけ自立した生活が送れるよう支援します。
また、介護の専門家として、要介護者やその家族の相談に応じたり、家庭介護に関する指導を行うことができます。
介護福祉士とヘルパーの業務内容に明確な違いはありませんが、ヘルパーは要介護者の自宅で介護を行うことが一般的です。
介護といえば高齢者のイメージが強いですが、介護福祉士の仕事は高齢者を対象とした仕事だけではありません。身体障害者療護施設や障害者就労支援施設などの障害者分野でも活躍することができます。最近では、心身に障害をもった子供の介護を専門とした介護福祉士も増えています。
このように、様々な分野に需要のある介護福祉士の求人は多く、まだまだ売り手市場の状態が続いていると言えます。
介護福祉士のキャリアアップ
介護福祉士には、様々なキャリアアップの道があります。
利用者一人一人のニーズに応じたケアプラン(介護サービス利用計画書)を作成するケアマネージャーは、介護業界の中心的存在だと言えます。介護福祉士として現場経験年数が5年以上経過すると、ケアマネージャー(介護支援専門員)の受験資格を得られます。
また、社会福祉士や精神保健福祉士の資格取得を目指す方も少なくありません。介護を必要としている人やその家族と、じっくりと向き合って話がしたい、障害があっても住み良い地域づくりをしていきたいと考える人に最適な職種と言えます。
結婚や出産をきっかけに、夜勤のある介護福祉士の仕事から日勤中心の仕事に転職したい場合にも選ばれます。
その他にも、介護福祉士の養成校教員や福祉系大学院への社会人入学など様々なキャリアアップの可能性があります。
第26回介護福祉士国家試験(平成26年実施)の合格率は64.6%と比較的取得しやすい国家資格であると言えます。介護の仕事に興味のある方は、取得を目指すことをおすすめします。