福祉用具専門相談員の資格とはどんなもの?
福祉用具専門相談員は、日常生活に介護が必要な障害者や高齢者に、福祉用具の選定・使用方法をアドバイスする専門家です。 各都道府県が指定した福祉用具専門相談員指定講習(50時間)を受講し、修了試験に合格することにより取得することができます。資格取得後は、介護保険制度における福祉用具貸与事業所に勤務し、利用者の相談に応じる他、地域の福祉用具専門店として独立開業する道も開くことができます。
福祉用具専相談員の役割
福祉用具専門相談員の資格制度は、介護保険制度の成立・施行と同時に創設されました。介護保険制度では、要介護者の自立を促す在宅サービスの一つとして、福祉用具のレンタルを受けることができます。例えば1台数十万円の介護用電動ベッドの場合、月々数百円の負担で利用可能です。利用中に身体状況が変わったり、不要になったりしても無駄になることがないため安心です。
介護保険制度を利用して福祉用具のレンタルを受ける場合は、担当のケアマネージャーを通し、福祉用具専門相談員の助言・指導を受けた上で、利用する福祉用具を選択する必要があります。この時、福祉用具専門相談員は、利用者のニーズや身体状況、生活環境などの基本情報を整理した上で、「利用計画(福祉用具サービス計画書)」を作成しなければなりません。
利用計画には、福祉用具を利用する理由、利用により解決される課題、目標を記載します。作成後は、利用者またはその家族に内容を説明し、同意を得て利用者に交付します。 福祉用具の利用開始時は、福祉用具専門相談員による取り扱い方法の説明やデモンストレーションなどが行われます。体格によってサイズ調整が必要な場合は、最も適した状態に調整することで安心・安全に利用することができます。 また、福祉用具の利用中は、定期的に福祉用具専門相談員が訪問し、使用状況の把握(モニタリング)や点検整備が行われます
福祉用具の貸与以外の業務として、ケアマネージャーが開催するサービス担当者会議に出席し、福祉用具の利用状況や注意点について説明を求められることがあります。介護保険制度における福祉用具は、要介護者の自立を促す重要な用具と位置づけられていますが、その使用方法や適合状態によっては大きな事故を引き起こす可能性もあるため、福祉用具専門相談員の責任は重大です。
福祉用具専門相談員の資格を取得するメリット
福祉用具専門相談員として実務経験が2年以上経過すると、福祉用具選定士の資格取得に向けた指定講習を受講することができます。同様に、福祉用具プランナーや福祉用具供給事業者現任研修の受講も可能です。福祉用具専門店のオーナーとして独立開業する道も開かれます。
福祉用具専門相談員の指定講習は、介護や福祉をはじめて勉強する人向けにカリキュラムが組まれているため、学生や主婦でも気軽に挑戦することができます。本格的な高齢化社会に向けて今後さらにニーズが高まることも期待されています。基本的な介護技術や介護保険制度の概要についても学んでいきますので、将来親や家族の介護が必要になった時に備え学習をスタートさせる人も増えています。