親の介護にかかる費用はどのくらい?
自分の親を自宅で介護していく場合、介護保険制度を使って利用できる身体介護や家事援助サービスにかかる費用(自己負担額)は、月額平均3~5万円が相場と言われています(在宅介護か施設での介護かで異なります)。
この他にも、介護保険制度が摘要されない医療費や食事代、自宅の増改築、介護用品の購入費用などを総額すると、更に支出が増えることになります。
また、この1カ月の支出が何年間続くのかという点も問題になります。生命保険文化センターが平成24年度に行った調査によると、親や家族の介護に要する期間は平均56.5カ月(4年9カ月)、4年以上の時間を費やした人の割合は全体の4割を越えることが明らかになっています。
在宅介護にかかる費用の内訳
在宅介護にかかる費用のうち、介護保険サービスの利用料が大半を占めることになります。例えば、要介護3(要介護認定等基準時間が70分以上90分未満に相当すると認められる状態)の認定を受けた場合、週に1回の訪問看護、平日1時間程度の身体介護(食事や排泄の世話)、週2~3回のデイケア(通所リハビリテーション施設)を利用した場合の自己負担額は、4万円前後になると言われています。また、同居する家族が冠婚葬祭や旅行などで留守にする際にショートステイサービスを利用したり、ベッドや車椅子の福祉用具をレンタルしている場合は、さらに費用が加算されます。
介護保険サービス利用以外でかかる費用には、玄関の段差解消や屋内の手すり設置などの住宅改修、オムツなどの衛生用品、外来診療にかかるタクシー代などが挙げられます。助成が受けられるものもありますが、一時的に全額負担しなければならないため予め準備しておく必要があります。
また、父親の介護をしながら母親や義理の両親にも介護が必要になってしまったというケースも珍しくなく、二重に費用がかかるということも想定しておかなければなりません。要介護の発生率は加齢とともに急速に高まる傾向がありますので、働き盛りの40~50代で親の介護に直面することは、決して他人事ではないのです。
出来るだけ介護による支出を減らすためには
親の介護に備えて資金計画を立てておくことは重要です。いざという時になって親の蓄えだけでは費用を捻出できない、自分の家族にまで負担を強いるなどのリスクを避けるためにも、早めに両親と相談をしておくことが大切です。
また、在宅介護についての知識や技術を身につけておくことも大きな備えとなります。ベッドからの移乗や着替えの介助方法、健康管理などを家族が行うことができれば、その分、介護保険サービスに依存する時間を減らし支出を抑えることが可能です。
例えば、1時間の身体介護にかかる自己負担額は、単価が4000円の場合、その1割を負担するため400円程度となります。これを月5回(週1~2回)利用した場合と月20回利用(週5回)した場合の差額を6000円とすると、年間で72000円、4年間で約30万円の支出を抑えることにつながります。いったん必要となった介護費用は、いつ不要になるか予測が難しいものなので、介護保険サービスを頼るだけではなく、家族の力で賄っていくことも大切です。
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