必ず確認しておきたい実務者研修の受講資格
介護福祉士実務者研修は、3年以上の実務経験を持って介護福祉士の国家試験の受験を目指す人が必ず受講しなければならないものです。受講資格は特に設けられておらず、誰でも受講することができます。ただし、介護職員初任者研修の修了者を目安にカリキュラムが組まれていますので、初学者には介護職員初任者研修からスタートすることをおすすめします。
介護福祉士実務者研修の内容
介護福祉士実務者研修は、2012年に廃止されたホームヘルパー1級および介護職員基礎研修にかわる資格として新設されました。修了者には介護福祉士の国家試験受験資格が与えられると同時に、実技試験が免除される制度になっています。 研修のカリキュラムは、介護職員初任者研修からさらに発展した内容になっています。現場での即戦力育成を主眼としており、要介護者とその家族に対する相談・助言、関係機関との連携についても具体的に学んでいきます。さらに、グループワークや事例検討では、重い認知症や複雑な家庭環境を背景とした高齢者に対応するスキルも身につけます。 介護福祉士実務者研修には、通学制・通信制の受講方法があります。45時間以上の実習が必須となっていますので、通信制でもスクーリングに参加しなければなりません。修了証を取得するには、全てのカリキュラムを履修した後に行われる修了試験に合格する必要があります。
実務研修を受講するまでのキャリアパスについて
介護福祉士実務者研修は、実務経験のみでは修得が難しい知識・技術を中心にカリキュラムが組まれています。無資格でも受講可能な講座ですが、一定の実務経験を経て受講することが望ましいとされています。 介護職員初任者研修を修了した後に、介護福祉士実務者研修を受講するのが最も理想的な方法です。介護職員初任者研修の修了者は、全450時間のカリキュラムのうち130時間が免除されますので、短期間で取得できる上に、受講費用を安く抑えることができます。 なお、2012年の制度改正以前にホームヘルパー2級を取得した人は、その資格を介護職員初任者研修に読み替えることができます。同様に、ホームヘルパー1級取得者については95時間、介護職員基礎研修の修了者については50時間のみ受講すれば、介護福祉士実務者研修の修了証を得ることが可能です。 また、認知症実践者講習や喀痰吸引研修など、地域の団体等で行われている専門研修(地域研修)を受講することにより、介護福祉士実務者研修の一部の科目が免除されることがあります。受講したものが科目免除に相当するかどうかは介護福祉士実務者研修実施者の判断によりますので、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
実務者ルートで介護福祉士を目指す場合、介護福祉士実務者研修の受講が必須です。国家試験を受験するためには、さらに3年以上の実務経験が要件となります。受講を検討している人は介護福祉士資格取得までの流れをしっかりと見据えておく必要があるでしょう。