介護職員初任者研修で使われる介護用語集
介護に関する専門用語にはさまざまなものがあります。ここでは、介護に携わる上でぜひ知っておいた方が良い用語をいくつかご紹介します。
アセスメント
介護を必要としている人、またはその家族が抱える、生活上の悩みや介護に対するニーズ、病歴、日常生活能力などを把握し、改善が必要な問題を整理することをアセスメント(課題分析)といいます。介護サービスは、アセスメントの結果から導かれた介護目標と計画のもと展開されます。
グループホーム
常時介護を必要とする認知症高齢者、知的障害者、精神障害者が家庭的な環境で少人数の集団生活を行うことにより、自立生活を支援する施設サービスの一つです。介護保険制度では、グループホームと言えば認知症高齢者を対象としたものを指します。
ケアカンファレンス
ケアカンファレンスは、介護サービスの担当者が集まって情報を共有したり、問題の解決に向けて話し合いを行うことを指します。介護計画(ケアプラン)の作成、またはサービス内容の変更や見直しが求められた際に行われ、利用者本人やご家族の同席のもと行われる場合もあります。
ケアマネージャー
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、要支援・要介護認定を受けた高齢者の介護全般に関するニーズや心身の状態、家庭環境などに配慮した介護計画(ケアプラン)を作成します。各サービス担当者との連絡調整やモニタリング(定期評価)を行う役割もあり、介護保険制度のなかでも中心的な存在を担う職種です。
ケアワーカー
病気や障害、加齢により日常生活における援助を必要としている人に、食事や排泄、入浴、着替え、外出などの介助を行う職種をケアワーカーと呼んでいます。国家資格である介護福祉士をはじめ、入院患者の介助を行うメディカルケアワーカー(看護助手)、在宅介護を専門としたホームヘルパーも含まれます。
ショートステイ
ショートステイ(短期入所生活介護)は、在宅介護サービスを受ける要介護者が、孤独感の解消や心身機能の維持または家族の介護負担軽減を目的に、介護施設に期間限定で入所することを言います。入所中は、他の入所者と同様に施設のプログラムに沿って過ごすため、急な用事で家を留守にすることになった家族でも、安心して利用することができます。
社会福祉士
社会福祉士は、身体や精神、経済的な不安を抱え基本的な日常生活を送ることが困難になっている人に対し、相談や助言を行う専門家です。病院や施設、行政機関などに所属し相談を受け付けたり、依頼のあった家庭に訪問をして必要な福祉サービスを紹介する、各事業所の担当者の橋渡し的な役目を持ちます。
チームケア
介護はケアワーカーだけで完結するものではありません。要介護者の生活に関わる医師や看護師、薬剤師、社会福祉士など様々な専門職が一丸となって取り組んでいきます。必要なケアをそれぞれの得意分野によって分担し、要介護者の健康や自立を支援していくことをチームケアと呼んでいます。
デイケア
食事や入浴、排泄の介護、レクリエーションなど様々なサービスを受けることができる日帰りの介護サービスを行うデイサービスの要素に、心身機能の改善を促すリハビリテーションの要素を加えたものをデイケア(通所リハビリテーション)と呼んでいます。デイケアでは、専任のリハビリ専門職が作成する機能訓練を重点的に行っていきます。
デイサービス
デイサービスは在宅で介護を受ける高齢者が、社会参加の場をもつことで孤立や閉じこもりを防止し、生きがいを持って生活するために提供される日帰り通所サービスの一つです。話し相手が欲しい、自宅のお風呂には怖くて入れないなどの悩みにも対応し、要介護者の心身機能の維持だけではなく、家族の介護負担や不安を軽減するためにも利用されます。
ネグレクト
介護が必要な高齢者など社会的弱者に対して、近親者が衣食住の世話や介護の義務を果たさず放任する行為をネグレクトと呼びます。また、要介護者を著しく衰弱させるネグレクトは、「高齢者虐待防止法」の中でも虐待の一つとして定義されており、通報を受けた市町村は高齢者の安全を確保するための指導や措置を行います。
ノーマライゼーション
障害者と健常者が区別されることなく社会生活を共にするのが望ましい姿であるとし、社会的に弱い立場にある人が社会参加しやすいような環境を整える様々な活動、運動のことをノーマライゼーションと呼んでいます。1950年代に北欧から広まった思想に基づき、日本では1993年にノーマライゼーションの考え方を盛り込んだ障害者基本法が制定されています。
要介護
病気や加齢などにより、身体や精神に何らかの障害を負った人が、食事、排泄、入浴などの基本的動作について、継続して介護が必要な状態にあることを指します。要介護認定では、介護の必要度に応じて要介護・要支援をそれぞれ段階別に認定し、それに見合った範囲内でのサービスが提供されます。
リハビリテーション
病気や怪我による後遺症、加齢などにより心身に障害を負った人が、再び自立した生活が送ることができるよう、必要な治療や身体機能訓練、日常生活動作訓練、環境調整などを行うことを総じてリハビリテーションと呼んでいます。病院や施設で行われるリハビリテーションの他にも、住み慣れた地域での社会参加を促すものなどがあり、その内容は多岐に渡っています。