福祉用具専門相談員とは？仕事内容や資格の取得方法・レンタルについてを解説

福祉用具専門相談員とは、福祉用具の専門的な知識を有し、介護が必要な障害者や高齢者に福祉用具の選び方や使い方などをアドバイスする専門職です。介護を必要とする人が介護保険を利用して福祉用具を使うためには、福祉用具専門相談員の存在が不可欠です。そうした側面があることから、福祉用具専門相談員は介護職に就く上で重要な資格と言われています。

福祉用具専門相談員として活躍するためには、さまざまな福祉用具の特徴や使い方を覚えなければなりません。福祉用具専門相談員が扱う福祉用具には、以下のようなアイテムが挙げられます。

福祉用具専門相談員として働く際は、上記の福祉用具に関する知識が必要となることを覚えておきましょう。

福祉用具専門相談員の主な仕事内容は、以下の4つです。

●選定相談

福祉用具が必要な人の心身の状態や使用環境を把握し、対象者にどのような福祉用具が必要であるかを吟味して福祉用具選びをサポートすることが「選定相談」です。選定相談の際は、厚生労働省が設定している福祉用具の貸与額上限や貸与商品の全国平均貸与価格、福祉用具の貸与事業者におけるレンタル価格を説明します。利用者が誤解したり損をしたりしないよう、わかりやすく丁寧な説明に努める必要があります。

●利用計画作成

ケアマネジャーの作ったケアプランと利用者や家族の相談内容に基づき、福祉用具の利用計画書を作成することが「利用計画作成」です。利用計画書には、「利用者の希望を満たすためにどの福祉用具をレンタルするか」などを明記します。福祉用具のレンタルを開始する際は、利用者による利用計画書への同意が必要です。

●適合・取扱説明

利用者の心身の状態や使用環境に合わせて貸与する福祉器具を調整する「適合」を実施します。続けて、福祉用具を有効かつ安全に使ってもらうために、貸与する福祉用具の「取扱説明」を行います。利用者が誤った方法で福祉用具を使用して事故を起こしてしまわないよう、実演しながら丁寧な説明を心がけることがポイントです。

●モニタリング（訪問確認）

福祉用具の利用者宅を定期的に訪問し、福祉用具の点検や利用状況の確認を行うことが「モニタリング（訪問確認）」です。モニタリングは最低でも年2回は行うように義務付けられています。利用者が福祉用具の不具合によって不幸な事故に遭うことがないよう、隅々まで丁寧な点検を行います。

福祉用具専門相談員の主な職場には、以下の4つが挙げられます。

●福祉用具販売店／福祉用具レンタル店

福祉用具販売店や福祉用具レンタル店は、福祉用具専門相談員の代表的な職場の一つです。福祉用具販売店や福祉用具レンタル店は、福祉用具専門相談員を2名以上置くことが義務付けられているため、福祉用具専門相談員の資格取得者は引く手あまたです。

●ドラッグストア／生活用品販売店

福祉用具を取り扱っているドラッグストアや生活用品販売店でも、サービス向上を図るために、福祉用具専門相談員の資格取得者を歓迎しています。

●訪問介護事業所

訪問介護事業所では、利用者から福祉用具について尋ねられることが少なくありません。そのため、利用者に的確なアドバイスができるように、有資格者である福祉用具専門相談員を配置している訪問介護事業所もあります。

●福祉用具メーカー

福祉用具メーカーでは新たな介護用品を開発するために、専門的な知識を有する福祉用具専門相談員を募集することがあります。

福祉用具専門相談員の求人情報数は介護ヘルパーなどの職種と比べるとやや少ないと言われています。そのため、福祉用具専門相談員として就職活動を有利に進めたいと考えている人は、他の資格も併せて取得するとよいでしょう。

福祉用具専門相談員の資格と併せて取得したい関連資格には、「福祉住環境コーディネーター」が挙げられます。福祉住環境コーディネーターとは、介護が必要な人に快適な住環境を提案するアドバイザーです。資格の階級は1級から3級まであります。

福祉用具専門相談員の主な職場である福祉用具販売事業所や福祉用具貸与事業所は、住宅の改修なども併せて承っていることが少なくありません。そのため、福祉住環境コーディネーター2級の資格を取得すれば、多くの事業所に歓迎されるでしょう。

福祉用具専門相談員になりたいのであれば、各都道府県知事指定の研修事業者が実施する「福祉用具専門相談員指定講習」を受講しましょう。受講資格は特になく、50時間の指定講習会参加後、修了評価試験（筆記試験）に合格すれば、福祉用具専門相談員になることができます。

なお、以下の介護系職業資格者は、福祉用具専門相談員指定講習修了者でなくても、福祉用具専門相談員として働くことが可能です。

ただし、以下の国家資格については、国家資格の取得だけで福祉用具専門相談員として働くことはできません。

上記の国家資格は、2015年4月1日の制度変更によって、福祉用具専門相談員の業務ができなくなったものです。ホームヘルパーなどの資格を有しながら福祉用具専門相談員として働きたい場合、あらためて福祉用具専門相談員指定講習を受講する必要があります。

福祉用具専門相談員になるためのカリキュラムは以下のとおりです。

東京都の指定講習事業者であるハクビの「福祉用具専門相談員講習・講座」であれば、現場経験の豊富な講師による指導や福祉用具を利用した実習を受けられます。現場ですぐに活躍できる能力を短期間で身に付けたい人は、ぜひ利用してみましょう。

福祉用具専門相談員は、介護が必要な人が福祉用具を利用する上で重要な役割を果たす職業です。福祉用具専門相談員の資格を取得し、福祉用具販売店や福祉用具レンタル店で働けば、多くの人を助けることができます。

今回紹介した福祉用具専門相談員になる方法を参考に、ぜひハクビの「福祉用具専門相談員講習・講座」を受講して、福祉用具相談員の資格を取得してください。そして、福祉用具相談員として活躍できる素敵な職場を探しましょう。